Shizugawa field survey in winter 2025

こんにちは!修士1年の宮城駿です。 3/20~2/25の期間で、宮城県南三陸沖の志津川湾に調査に行ってきました。 今回の調査は、中村研から中村先生・高橋(M1)・宮城(M1)の他、琉球大学の栗原研が同行しました。

 

志津川湾は南三陸沖に位置し、牡蠣をはじめとする養殖産業が盛んに行われている地域です。

今回の調査では、前回の2024年7月と8月の調査に引き続き、河川及び湾内の水質調査、河川流量・流速の測定、測定機器の回収・再設置を実施しました。

 

河川及び湾内の水質調査は、志津川湾に流入する陸域由来の栄養塩量や土砂量をシミュレーションにより定量化することを目的に行いました。河川の水質調査では、志津川湾に主に流入する6つの河川と北上川を巡り、河川採水とAAQによる水質調査を実施しました。また、湾内の水質調査では、湾内のいくつかのサイトと外洋のサイトにおいて、同様に採水とAAQによる水質調査を実施しました。

また、陸域由来の流入量のシミュレーション実施にあたり、陸域由来の流入源は、河川水由来の他に、地下水由来のものがあります。地下水は井戸などがあれば直接測定が可能ですが、志津川には井戸がなかったため、流入する地下水量の定量化は困難でした。そこで、河川及び海洋における放射性同位体である222Rn(ラドン222)を測定することで、流入する地下水量の定量化に試みました。222Rnは半減期が約3.8日と短く、また地下水中の222Rn濃度は河川や海洋と比較して高い値であるため、222Rnは地下水流動のトレーサーとして機能します。

湾内の調査では、8月から設置していたADCP(超音波流速計, Acoustic Doppler Current Profiler)等の回収を行いました。ADCP(Acoustic Doppler Current Profiler)とは、超音波のドップラー効果(音波が水中の浮遊粒子で反射され、戻ってくる音の周波数が変化する)を利用して、1台で多層の流速分布を得ることができる流速分布計です。ADCPは、牡蠣いかだによる流動抵抗を測定するために設置し、牡蠣いかだの流動抵抗モデル開発は、研究室で開発されている海洋統合型モデリングシステムへ寄与します。

その回収の際に、漁師の方がとれたての牡蠣を船の上でふるまっていただけました。とても美味しかったです!

河川流量の測定を実施しました。河川流量は、流速計で測定される流速と水深から定量化されるため、現地での流速と水深の測定を行いました。冬の川は非常に冷たく、大変な作業でした。また、現地に圧力計(水深)と流速計を設置し、次回の調査まで記録します。

そして、毎度楽しみの豪華な海の幸を宿にて堪能しました!冬の調査であるため、今が旬の牡蠣づくしの料理で、本当に美味しかったです。

また、夏頃に調査を予定しています。今後の報告にもご期待ください!

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