Moorea IDEA Physical Modelling Workshop (3/8~3/15)

スイス・チューリッヒのETH Zurichで開催された、Moorea IDEA Physical Modelling Workshopに参加してきました。Moorea IDEA とは、最近ETH Zurichを中心に立ち上がったプロジェクトなのだそうですが、この “Moorea” というのはタヒチの隣にあるフレンチポリネシアの島のひとつで、”IDEA” というのは “Island Digital Ecosystem Avatar” の略です。このプロジェクトの概要をざっくり言えば、Moorea島の気象、海流、生物、物質循環、人間活動など、島のすべてをコンピューター上で再現してやろうという壮大なプロジェクトのようです。今回のこのWSの参加は、去年の10月まで灘岡研のJSPSポスドクだった Dr. Collin (現在はEPHE Dinard の講師)がこのプロジェクトに関わっており、その伝からこのワークショップに招待して頂いたという経緯です。

↑Moorea IDEA のデモンストレーション(上)と、benthic mapping をオーバーレイした画面について説明しているCollinさん(下)。

まだプロトタイプですが、Moorea IDEAは下記のURLから見ることができます。
http://mooreaidea.ethz.ch/avatar
ただ、リンク先を訪れてみてお分かりの様に、 操作にはかなりクセがあります。
マニュアルが見当たらないので手探りでいじってみたところ、

キーボードの w: 前進、s: 後退、a: 左へ進む、d: 右へ進む、
Shift: 視点を下げる、Space: 視点を上げる
マウスでグリグリ: 見る方向を変える

というのが主な操作方法のようです。(まだ色々な機能がありそう)
右上にある ‘Shallow coral classification’ とあるところをクリックするとCollinさんが行ったBenthic classification のレイヤーがオバーレイされます。
また、黄緑色の○をクリックすると様々なデータベースへとアクセスできるようになっているようです。

今後はさらに高解像度になり、色々な生き物のアバターが再現され、この上を動き回るのだとか。。なかなか壮大な話です。

物理・生物・物質循環・社会経済などのそれぞれのモデルをいかに統合するかということが議論の大きな柱の一つになっていて(石西礁湖のプロジェクトでも常に議論になっていますが)、私がプレゼンしたBiological model (coral polyp model) と流動-物質循環モデルとのカップリングの話には、けっこう興味を持って頂けたようでした。

 

 

 

 

←ワークショップが終わりご機嫌なCollinさん。相変わらずでした(笑)

 

その後、舞台をCollinさんのオフィス (EPHE Dinard) のあるフランス・Brittany に移しMoorea IDEAのプロジェクトの続きの議論や、石西礁湖プロジェクトの今後の打ち合わせ等を行いました。

ちなみに、Brittany の近くには、かの有名なモン・サン=ミッシェルがあります。このあたりは、世界で2番目に潮汐の振幅が大きい海域だそうで、大潮時には 最大14 m ぐらい潮位が上下するそうです!これは海岸工学的に非常に興味深い!ということで、潮汐の様子を良く観察するために、モン・サン=ミッシェルに登り上から海の満ち引きの様子を観察することにしました。残念ながら、大潮ではありませんでしたが、満潮時に海の上にあったモン・サン=ミッシェルが干潮時にはすっかり干上がって汀線がはるか沖に移動している様子は壮大でした。ついでに、モン・サン=ミッシェルの中も見てきましたが、こちらも壮大でとても美しかったです。

 

←満潮にはリンとして停泊していたボートも、干潮時には完全に干上がって、こんなにクタッとした感じになってしまいます。

 

 

 

 

←こんな看板も!よく観光客が干潮時に海岸近くに駐車して、満潮時に水没させてしまうようなことがあるそうです。

 

 

 

ちなみに、Brittany の牡蠣は50年ほど前に病気で全滅に近い被害を受けたそうで、そのときの日本の牡蠣を輸入して養殖するようになった経緯があるそうです。東日本大震災のときに、フランスの牡蠣業者が牡蠣を送り、宮城県の牡蠣業者の復興のお手伝いをしたというニュースを聞いたことがありましたが、このような経緯があったのですね。心温まる話です。

さて、Brittanyでも新鮮な牡蠣は生で食べるそうです。これは頂かないワケにはいきません!

↑左の丸っこいのがBrittany原産の牡蠣で右のが日本原産の牡蠣

 

 

 

 

 

日本原産の牡蠣はマイルドな味わいですが、Brittany原産の牡蠣は味の輪郭がシャープでキリっとした味わいでした。どちらも甲乙付け難く、大変美味しゅうございました。

また最後はグルメレポートみたいになってしまいましたが、このような機会を頂いたCollinさんに感謝です!

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